電話事業者認証機構の設立について
通信業界が連携して不適正な回線の取引や特殊詐欺などの犯罪利用を防ぐ
【連名報道発表】
2024年10月1日
報道関係者各位
一般社団法人テレコムサービス協会(TELESA)
一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)
一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)
一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)
一般社団法人日本ユニファイド通信事業者協会(JUSA)
日本の5つの通信事業者系団体が認証団体(ETOC)を設立し、電話事業者向け認証制度を運用開始
〜通信業界が連携して不適正な回線の取引や特殊詐欺などの犯罪利用を防ぐ〜
PRTIMES版はこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000150415.html
関連する総務省殿の報道発表はこちら
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban06_02000114.html
一般社団法人テレコムサービス協会(TELESA)、一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)、一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)、一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)及び一般社団法人日本ユニファイド通信事業者協会(JUSA)の5つの通信事業者系団体は本日(2024年10月1日)、電話事業者認証機構(Elite Telecom Operator Certification Body, ETOC)を設立し、電話サービスを提供する事業者の評価認証を開始します。
背景:
「オレオレ詐欺」をはじめとする特殊詐欺は、2014年には被害総額が過去最⾼の約566億円となりました。その後、警察による取り締まりの強化や、官・⺠が連携した予防活動、犯⾏使⽤電話の利⽤制限といった対策の実施等により⼀旦は減少に向かったものの最近は再び増加基調にあり、2023年の特殊詐欺の認知件数は約1万9,000件、被害総額は約453億円となるなど依然として厳しい状態が続いています。(図1)

図1 特殊詐欺の認知件数と被害総額(警察庁)
2019年6⽉の犯罪対策閣僚会議(内閣総理大臣が主宰)において決定された「オレオレ詐欺対策プラン」等に基づき、官・民が協力して特殊詐欺の犯⾏に利⽤された電話番号の停⽌を実⾏しています。その後も様々な対策が進められたものの、悪質な事業者もしくは悪質なグループに電話サービスを販売する事業者などが存在し続け、十分な抑止とはなりませんでした。社会全体のデジタル化の促進やテレワークの増大等を受け、電話の利用ニーズが急速に高まり、高度に技術革新・普及が進んでいる一方、これらの先端技術が特殊詐欺等の犯罪で悪用されています。十分な抑止が進まない背景に、電話サービスを利用している一般の利用者(企業や消費者)だけでなく、電気通信事業者にとっても、一部の悪質性のある事業者を容易かつ確実に判断することが困難である等の課題があると指摘されていました。
このような状況を受けて、総務省では、2023年度、事業者等の品質を客観的に判断できるようにするためのあり方について、有識者の意見を踏まえた検討が行われました。具体的には、事業者等の適格性を外部機関が評価し、それを事業者間の取引時の信用確認に活用することが、不適正な事業者との電話番号や電話回線の取引を防ぐことの有効な対策になるとの結論が得られました。
総務省では、2024年度から、審議会で電気通信番号の犯罪利用対策に関する検討も進めており、とりまとめられた報告書の中でも本組織のような業界の自主的な取組との連携を強化していく必要があるとされています。
電話事業者認証機構(Elite Telecom Operator Certification Body, ETOC)は、このような結論も参考に、5つの通信事業者団体が共同で設立しました。本組織は、サービス品質、セキュリティ対策・犯罪利用防止対策等の善良な通信事業者としての基準を制定し、この基準を満たす日本国内の電話番号を取引する事業者に対して認証マークを付与します。電気通信事業者は、他の事業者との取引・契約の際の信用度の確認に本認証マークを利用することができます。また、利用者(企業・消費者など)が電話サービスを契約する際の電話事業者選びを容易に行うことができるようになります。(図2)
本組織は総務省や警察庁、国内外の電気通信事業者と連携しながら、国内外の電気通信事業者や利用者に対する周知啓発活動をすすめ、本認証マークの普及を目指しながら、通信業界全体でサービスの品質向上・電話市場の健全化に努めてまいります。